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「インスリン分泌促進薬」の作用と、服用の注意点

経口血糖投下薬 その分類と薬の種類 でご紹介したうちのひとつ、「インスリンの分泌促進薬」について説明します。


(1)インスリン分泌促進薬


スルホニル尿素薬(SU薬)


経口血糖降下薬のなかでもっとも古く、そして多くの患者に用いられているのが、この「スルホニル尿素薬SU薬)」です。


日本では現在、多くのSU薬が使われています。使われ始めたのがおよそ50年前のため、第1世代~第3世代の今日まで、相当数のSU薬が商品化されています。


第1世代の最初の薬であり、SU薬のなかでもっとも作用がおだやかとされる「トルブタミド(製品名 ヘキストラスチノン)」から、インスリン分泌作用とインスリン抵抗性改善作用をあわせ持ち、第3世代のSU薬の代表格とされる「グリメピリド(製品名 アマリール)」にいたるまで、それぞれの製品ごとに特徴を有しています。

また作用時間も、それぞれの製品で異なっています。




SU薬は主にすい臓の細胞を刺激して、インスリンの分泌を促すことにより血糖を下げるはたらきをします。

したがって、SU薬はすい臓にインスリンを分泌する能力がまだ残っている場合(インスリン非依存の状態)に使われる薬です。


なお、腎機能・肝機能に障害がある患者に対しては使用されません

経口血糖降下薬のなかで血糖値を下げる作用がもっとも強力で、その作用も長時間にわたって続きます。

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服用は通常一日に1~2回、原則として食前に服用します。

ちなみに2種類以上のSU薬の併用は、治療上の意味が無いものとされています。SU薬は血糖を下げる作用が強いことから、服用者は空腹時などに低血糖を起こすことがあるので、注意が必要です。

服用によってインスリン分泌が増加するため、ブドウ糖が脂肪となって蓄積することにより、体重が増加することがあります


ちなみにSU薬を長く服用している患者においては、しだいに薬の効きが低減してくる場合があるとされています。

このようなケースでは、他の薬への切り替えや併用・インスリン療法への変更が検討されることになります。


速攻型インスリン分泌促進薬


スルホニル尿素薬(SU薬)と同様に、すい臓のβ細胞にはたらきかけてインスリンの分泌を促す薬ですが、その効き方が速い点が特長です。

速攻型」と言われるゆえんです。したがって、食後の高血糖を抑えるのにも有効です。


ナテグリニド(製品名 ファスティック/スターシス)」「ミチグリニド(製品名 グルファスト)」「レバグリニド(製品名 シュアポスト)」があります。

作用時間が短いために、次の食事前に低血糖を起こしにくくなっています。

食事療法・運動療法で血糖値が十分下がらない場合、まず単独で使われる薬です。SU薬との併用はできません


必ず、毎回の食事の直前(10分以内)に服用する必要があります。

服用から食事までの時間間隔があまり空くと、低血糖を起こす可能性があります。

また食後に服用した場合は、ほとんど効果が得られません


低血糖以外の副作用として、腹痛や腹部膨満感が起こる場合があります。

SU薬と同様に、腎機能・肝機能に障害がある患者には使用されません


引き続き、「インスリン抵抗性改善薬」と「食後高血糖改善薬」 について説明します。

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